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転居のお知らせ

春寒の候、皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたび、下記へ転居いたしましたのでお知らせ申し上げます。
お手数ながらお手持ちのブックマーク等をご変更いただければ幸いです。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

 

というわけで!

 

こちらのブログをお引越しすることになりました。

新しいサイトのアドレスはこちらです。

https://tify.hatenablog.com/

 

2006年に開設したので15年になりますか…(遠い目)。思えばそのころブログ全盛期でしたね。まだtwitterよりもmixi人口のほうが多かったし、instagramは影も形もなかった。

あの頃は雨後の筍のように続々と新しいブログサービスがリリースされていましたが、最近ではサービス終了のアナウンスも少なからず聞こえてきたりして、時代は移り替わりますのう…としみじみします。

 

引越しのきっかけはまあなんとなく気分を変えたかったっていうのと、なによりモバイル端末で見る時の利便性でしょうか…もうスマートフォンやタブレットでご覧になる方が格段に増えたなっていうのを感じますし、私もそうだし、実際自分のブログをスマホで読もうとするとめっちゃ読み辛いっていう(笑)

 

いちどwordpressと並行してみようとしたこともあったんですけど、並行とかぜんぜんむりでした!同じ内容を2つのブログに上げるの実際意味わかんないしね。なので、観劇ブログのほうは最初からはてなで書いていて慣れているし、パスワードも忘れないし(ハハハ)、アカウント1つで3つまでブログ作れるよというのでこれに乗っかりました。

 

15年!けっこうがんばったんじゃないかな!わははは!

 

とかいうとなんか過去ログ消しそうな雰囲気ですけど自分大好き吉井ちゃんのファンらしく私も自分の文章大好きなので過去ログもまるっと転居先に移動済みでございやす。ただいろいろ表記がちゃんとなってないのもたくさんあるのでそれはぼちぼち直します、ハイ。

 

こちらをご覧になってくださった方、コメントくださった方、もろもろ気にかけて下さった方、どうもありがとうございました。お世話になりました。まだまだ吉井ちゃんやTHE YELLOW MONKEYのことでああでもないこうでもないとやっていたいと思いますので、転居先にも足を運んでいただけますと幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

22:17 | comments(1) | -

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE BUDOKAN SPECIALに行って…ないけど中継を見たのよ

30周年記念ライヴ、オーラスはやっぱりこの日この場所でしょう、12月28日、日本武道館!私はと言えばとうとう首の皮が繋がりませんでした!残念首の皮!今までありがとう首の皮!なので自宅からWOWOWの放送で拝見することとなりました!

 

現地に行っておりませんので、これはレポではなくて、いやいつもレポと言えるようなもの書いてませんけど、いつも以上にレポではない何かです。

 

WOWOWの中継は前説部分から音が聞こえていたんだけど、東京ドームのフリフラ回収率が99.47%だった、これは空席部分もふくめてほぼすべてのフリフラを回収できたということ、過去に例を見ない素晴らしい数値だったのでここでご紹介します、とお話があり、ひゃーまじめだねおれたち、と感心しました。そのあとのSEが愛の賛歌だったので、やっぱり武道館にはこれなんだなーとしみじみ。

 

全体的に1st、2ndからの楽曲が多くて、武道館で(そしてメカラで)わりと馴染みのあるjaguarの楽曲がASIANしか入らないという構成、ちょっと驚きました。いや横アリも代々木もjaguar抑えめだったじゃないですか。だってROCK STARすら入ってない。代々木で街の灯が入ったのはエマ曲だからだし、武道館はjaguarから多めにもってきたりするのかな?って考えたりしたんですけど、んもー今回ぜんぜん予想が当たらない。いや予想が当たったためしなどないわけですが。1年前のナゴヤドームが「ジャガーになる歌」で始まりシルクで終わる、という構成だったので、それ以上の構成を武道館で描くってことはないってことなのかなー。

 

一方でこれも初期曲中の初期曲、このバンドの始まりの歌とでもいうべきLOVERSは今回セトリに入らなかったわけだけど、その代わりこの第二期の始まりの曲でもあるSubjectiveが入ったのかなーとか。あと、最新アルバムの中から今回組まれたChanges far awayとロザーナってわりと再生の楽曲ってイメージがあって、誕生に替わって再生を思わせる歌を組んだのかな?なんて思ったり。ど頭をDAN DANで楽しく打ち上げて始まったのもよかった。

 

途中のMCで武道館を勝手に聖地と呼ばせてもらってますけど、最初にやったときは嬉しくて楽屋で髪の毛を切りすぎてね…と吉井が話した時に後ろのアニーがオフマイクであっはっはそうだったって言ってるのに爆笑し、そこに更に吉井が「今日も若干失敗してますけども…(メンバーをさして)いいですね皆さんいつも安定して」つったのにも爆笑しました。またエマが「みんな今笑えないからね」って言ったのが「これウケてないわけじゃないよ」っていう意の優しいんだかトドメをさしにきてるんだかわかんない合いの手言うんでマジでヒャッヒャッヒャッと笑い転げてたら、吉井が「お茶の間ではドカーンですから。ヒャッヒャッヒャッつって」と言ったので「こっちが見えてんのか!?」と思いました。お茶の間ではドッカーンでしたよ吉井ちゃん。あとお友達がとにかくおでこを出しなさいって言ってたよ吉井ちゃん。

 

そんでそのちょっと前にメカラウロコというのをやってたけどそれは終わって、普通にバースデーライヴってことでやらせてもらっています、とか言っておきながらその舌の根も乾かぬうちに「売れなかった時代の下々の曲をやってみたいな」つって、浮かばれないブギーを聞いてくださいって投下するのが審美眼ブギ、Foxy、SLEEPLESSのド鉄板のメカラシークエンスですよ。ドームではFoxyからのSLEEPLESSはセトリに入ったけど、審美眼が加わってようやく御三家そろい踏みです本当にありがとうございました。んでもってめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか皆さん。下々の曲を愛してやまない連盟会員番号1038番としても嬉しいですよ。エマとヒーセが吉井越しにアイコンタクトしながら弾いてるのマジで尊さしかなかったね…。

 

蔵出し曲としてPANITENTをやってくれたんだけど、その前に「その会場ごとに適したメニューでやってきたんですけど、今夜もう在庫があんまり残ってません」っコメントに「そんなことないでしょお!?」と素でツッこんでしまった私です。いやわかってる!皆まで言うな。そのライヴごとの特異点というかね、この日ここでやることに意味がある、みたいなストーリーを持つのが大好きじゃないですかうちのバンド。そういう意味での「在庫」ってことだってわかってます、わかってますってば。いやでもねえ、まだアレもコレもソレもあるじゃない、って思っちゃうのがおたくの性なんですよ。

 

「免疫あげるといいよお?果たしてこの曲で免疫あがるかわかりませんけども…だいぶ免疫低いときの曲だから…」とか「色んなことが満たされてないけどいつか夢をかなえてやるぜみたいなことがいろんな方向にいってしまったような歌詞です」とか、マジの蔵出しなだけに若干の自虐めいたコメントもありましたが、あれだよね、ドームライヴの幕間に流してくれてた時から思ってたけど、ちょっとTEARS OF CHAMELEON (Mr. PAPER MOON)ぽさあるよね?劇画調というか。私は好きです!(堂々宣言)

 

しかし、1年越しでふたたび"I"に陽の目が当たろうとは、ですよ。いや正直ね!これほんとナゴヤドームでもしこれがセトリに入ってなくて、この武道館で久しぶりの登場だったら、そしてそれを中継で見てたら、多分この時点で気絶してたと思う、くやしすぎて。よかったよナゴヤドームで聴けてて…これについては以前わたしがどんだけ"I"を待ち望んでいたか縷々連ねたエントリがありますのでそっち読んでください。いやしかしどうなのこの堂に入った演奏。まじやり込んでる曲のそれやん。自由自在にかっこええやん。なんでこんなに長いこと放っておかれたん!?とこうして鮮明な映像を見ながら思いましたよ。あのファックミー!のとこでドラム前にかがみこんで裏声シャウトしたとこ、思わずコラアアアアアア!!!なにしてくれちゃってんのーーー!!と叫びました。叫びましたとも。こうして録画を残せるのマジでありがたい…。さあ吉井ちゃん、次は「僕は…」のモノローグから始めてみようか。大丈夫大丈夫!できるできる!(誰だよ)

 

インディーズ時代の蔵出しから30年ぐらい時代飛んでロザーナに、さらにまた20年ぐらい戻って"I"にってこの振り幅、時代の高低差ありすぎなんですよ。そこが好きなんだけどね!?

 

あとFATHERもね、もちろん今までも大好きな曲だったけど、今回はまた違った響き方をしたというか…。それこそTRUE MINDやメカラ7のビデオの編集を手掛けられた、わたしが神と崇める山本浩市さんが、FATHERは最初ピンとこない楽曲だったけど、自分が父親になって、子どもと一緒にTHE YELLOW MONKEYのライブビデオを見た時、この楽曲にすごくささるものがあった、と仰ってたことを思い出す。いろんな、私たちにはとうてい思い至らないいろんなことがあって、こうして世に自分の名前と顔を出すことをきめた人がいることを私も頭のどこかで考えたからかもしれない。荒れた海のような恋もするだろう、越えられない山も死ぬほどあるだろう…。

 

アンコール、12月28日の日本武道館のセトリでオッズを出したら1.1倍がつきそうなアバンギャルド、腕の振りでフリフラが映えるROMANTIST、これをやらないわけがないASIANとまさにド鉄板の楽曲ばかり。しかし、全員あのキス魔スク(自分の顔のやつ)で登場したんだけど、もう絵面が面白すぎるんですよ。ハミングどころじゃねえ!特に完全にコンセプトを無視したと思われるヒーセのてへぺろマスクはなんなんだ!面白すぎるじゃないか!

 

当たり前だけれど彼らはこうしてステージに立つ人生を続けていく中で、客席から一切の「声」が返ってこない状況に初めて立たされたわけだけれど、若干でも戸惑いのようなものが見えたのは11月の東京ドームだけで、そのあとはその状況を受容して、受容するだけじゃなく利用して、声ではないけれど客席からのパワーをぐんぐん吸い上げてて、それが如実にステージングにも現れてるし、その反射神経のすごさたるや、と改めて感動してしまう。アバンギャルドの「フゥ〜!」ってお約束のリアクションがないのはさびしいけど、そのかわりにアニーがシンバルを鳴らしたり、ハミングを提案してみたり、拍手で歌わせてみたりして、この人たちの「現場勘」ってほとほとすごい。それはなによりもこうして人が集まる「ライヴ」ってものが自分たちの本筋だと思っているからこそなんだろうな。

 

ラストはWELCOME TO MY DOGHOUSE。そりゃ武道館のASIANのあとにスタンバれるのなんて、この曲ぐらいしかない。かつてバンドの始まりの1曲であり、終わりの1曲でもあった曲だ。曲前にかつてないシンプルなメンバー紹介があり、それでは、また、お会いしましょう、といってあの吹きすさぶようなお馴染みの前奏。同じセリフを言うのかな、とちらっと頭をよぎった。「普通の野良犬に戻ります、WELCOME!」

 

ライヴの冒頭からかさねて、念入りに、確実に釘をさすように、これでしばらくお休み、しばしのおわかれ、ということを伝えられてきていて、最後にこれかあ〜!と正直ぐっと心臓を掴まれたような気持になったことは否定しない。本当にいつでも、その直前までは誰よりも惜しんでいるくせに、最後にはもう「次」のモードになっちゃってるの、吉井さんのそういうとこ…そういうとこ、今まで何度も見てきたよ。

 

そして、そういった感傷をふき飛ばすほどに、犬小屋はいつ何時でも最高にかっこいい。こんなにも4人のかっこよさが結晶のように凝縮した楽曲は他にない。この話何度もしてますけど何度でも繰り返します、わたしのサビだから。

 

でもオタクっぽいことを言わせてもらえばね、この普通の野良犬って台詞は、もちろんキャンディーズの「普通の女の子に戻りたい」のオマージュで、さらにいえばメカラウロコ8の、以前同じセリフを言ったときは正確にはそのあとに「そして、我がTHE YELLOW MONKEYは永久に不滅です!WELCOME!」といって曲になだれ込んだわけだけど、それはかつての後楽園球場という場所柄あってこその台詞でもあったわけです。だから今回のは場所に関係なく、メカラ8に引っ張られてその台詞が出てるわけで、そう思うとなんだか吉井さんよ、かわいいやつだな、なんてぐりぐりしたくなるのもやむなしじゃないですか。

 

あとやっぱり彼ら的には、東京ドームのラストナンバーだったプライマル。が本当の第二期ラストナンバーで、プライマル。で始まりプライマル。で終わる構成を描いていたんだろうなあとおもう。私の大好きな環を描いて終わる構図!気が合いますね!

 

誤解をおそれずに言えばね、私は「この先」のことをあまり信じていないんです。このバンドと付き合うときには、いつも目の前で起こっていることだけに全力を注ぐと決めてきました。あるかもしれない物語を描いて目の前のことを見失わないように。今日と、いいとこ明日ぐらいまでしか見ない、そんな近視眼的な付き合い方をしてきたのは、もちろん、過去に永久に不滅ですと言ったまま戻ってこなかったからということが関係ないとはいえません。

 

あの時とは違うというのではなくて、あの時も今も未来のことなんてわかんないじゃないですか。あの時は今こうしている未来を見ようとしたけど、見たかったけど、どうしても見えなかった。でも今はバンドがこうして目の前にいる。THE YELLOW MONKEYが。それはすごい希望ですよ。

 

20年前、私は自分の日記に「彼らはもう一度4人でやることを願っていると思えるが、信じているとは思えない」と書いたことがあるけど、違うところを探すとすれば、今の彼らはそれを信じていると思えることかもしれないです。

 

だって、いつでも最後の楽曲の最後のフレーズがいま自分がいちばん言いたいこと、という吉井和哉の法則にしたがえば、彼らがいま一番いいたいことってこれじゃないですか。未来はみなくても、その願いを信じることはそんなに難しいことじゃないような気がしています。私のねがいはもはやみんなが無事で、元気で、健康で、音楽と人生を楽しんで毎日を過ごしてくれることだけだよ!30周年ドームツアー、アーンドおまけの横アリ代々木武道館、本当にありがとう、おつかれさま、この困難な時代に私たちにあくまでも「ライヴ」を届けてくれようとしたメンバー、すべてのスタッフに特大の感謝と愛を捧げます!だから、

 

また会えるって 約束して!

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19:47 | comments(4) | -

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE YOYOGI SPECIALに行ってきたのよ

30周年記念ライヴ、3本目はなんとエマたんのエマ誕!えまたん!バースデー!!ということで、私はと言えば横アリに続いてまたもやトレードで首の皮が繋がるというあれでした。首の皮ありがとう、首の皮がんばれ。

 

思えば、THE YELLOW MONKEYのライヴでメンバーの誕生日に当たるのこれが初めてな気がする。解散中にヒーセのお誕生日イベントとかはあったけど。エマ誕だから、エマ曲多めではくるだろうなと思ってたし、それは誰もが予想してたと思うんだけど、まさかの

頭からエマ曲全部出します

みたいな思い切ったことをしてくるとは!完全に予想外。横アリのセットリストが「横アリの思い出詰め込みました」風で、かつ再集結後の楽曲がむちゃくちゃ絞られてたので、これは再集結の象徴的な代々木は新しい楽曲多めとか…?っていう予想よどこ行った。

 

とっぱちがZOOPHILIAってのもすごい新鮮だったんだけど(ROCK STARとかと同じで、だいたい2曲目とかに入りがちなイメージ)、その次のセックスレスデスで文字通りひっくり返りましたよ。え!?どうした!?ここ横アリじゃないですけど!?まさかの1999年3月10日以来のご登場じゃないですか!?っていう。ZOOPHILIAもセックスレスデスも背後のモニターに歌詞が出てて、その歌詞の出方がまた凝ってて、いや、さんざんやりこんだZOOPHILIAはともかく21年ぶりのセックスレスデスで歌詞出すとか吉井おまえ勇気あんな…とか思ったとか思わなかったとか。サンタが生まれずに召されっぱなしだったのはご愛敬。

 

何しろセックスレスデスインパクトがディープすぎて(そしてまじまじと歌詞を見させられて、改めてすげえ歌詞だなオイと感嘆してて)ことここにいたるまでその意図に気がつけなかった私。まあZOOPHILIAについてはあんまりエマ曲ってイメージなかったのもある。でもあとで配信見たらオープニングSEがeienだったのね。そうだったのね。いやマジで徹底しとるな。

 

で、短いMC挟んで次がTVのシンガーだったので、そしてそこからゴージャスにいかず創生児だったので、ここでようやく「お?これはもしかしてエマ曲の固め打ちなのか?」と気がついた私。そして次に思ったのは「ってことは?イエイエもやるってことですか?街の灯もやるってことですか?(大歓喜)」創生児の、みんな大好き兄と弟の一人芝居、ツートンカラーの縞模様の波のごとく入れ替わる人格、何度見ても楽しいですね。これができるのに芝居がからきしできないのがほんと吉井和哉の面白いところだよ…。占い神頼み相談、でカードをめくる仕草をするとこ大好き。入れ替わって「聴きましたか?今の泣き言」のサドっぽい言い方も大好き。アホのソテーってしかし、なんつー言い回し。最高すぎる。

 

そんで次に何が来たかっていうと…クズ社会ですよ。赤いバラですよ。クズ社会の赤いバラですよ。マジか…!?これが出るってことはもう、あれじゃん、全部やるんじゃない?全部、全部やるんじゃない!?と色めき立つわたし。それほどにレア。超弩級のレア曲といって差し支えない。パンチドランカーのツアーで、後半のアリーナではセトリから漏れたため、なんと98年10月6日の岡山、そうあの岡山以来のクズ社会…!いやしかし、改めて言いたいんだけど、なんでこの曲こんな放置されてたわけ!?むちゃくちゃかっこいいじゃん!!もっとやってよお!それもこれもえまたんのエマ誕のおかげかと思うと…!えまーー!ありがとうーー!!!

 

Breaking The Hide、最後に吉井が膝から崩れるのがむちゃくちゃ絵になってよかったのであの瞬間をモニタで抜いてほしかったし配信でも抜いてほしかった!WOWOWさんで放送されるとのことなのでぜひ映像効果ないやつでお願いします。THE YELLOW MONKEYのライヴ映像に余計な効果はいらんのです!あんなの飾りです!偉い人にはそれがわからんのですよ!(はいガンダム)

 

MCで「お気づきかと思いますけどここまで全部エマさんの曲」「スペシャルエマデーです!」ここでエマが持ってるギターが遠目にはあの青のレスポールスタンダードでは…?その昔ポルシェのステッカーが貼ってあり、ポルポル君と呼ばれたあれでは…?って感じだったので、モニタ―にむかって「ええいギターを映せギターを!」とテム・レイになるとこでした(またガンダム)。最後エマが吉井の方近寄っていかないな?と思ったら吉井が「ボーカルエマ」つって最後のフレーズをエマが歌いました!何がかわいいって最後のコーラス合わせようとして目線を交わす吉井とエマだよ。あーかわいい。あーかわいい。

 

そしてきました街の灯!!いやこれこのあとNeurotic Celebrationそしてイエ・イエ・コスメティック・ラヴと続いてまさに「エマ曲どレア祭り」に突入していくわけなんですけど、Neuroticとイエイエは再集結してからDRASTIC HOLIDAYツアーでやってたんだなってことを自分のブログを検索して気がついた私です。いやそれにしてもよ。街の灯は2018年のメカラでやっているけどその前はメカラ9だし、さらにその前は94年のジャガーのツアー、Neuroticとイエイエも解散前も年末公演でちらっと顔を見せたけど、その前は平気で3年間4年間披露されずみたいな楽曲なわけで、その前のセックスレスデス&クズ社会の「これがまた再び聴ける日が来るとは」感も含めてレア祭コア祭り感がさらに倍っていう。エマ誕まじでありがたさしかないな…。

 

私は街の灯がむたくた大好きなので、この漂う年末感、まるでミュージカルの一幕のようなシアトリカルさ、歌の中でちょっかいかけて遊ぶ吉井の楽しさ、もー全部好き。バックの街の風景の映像に、看板の文字が歌詞の一部になってるのむちゃくちゃ洒落とった。Neuroticもすごく「年の瀬!」って雰囲気があって、大好きなんだよね…思えばこのあたりのエマ曲の、吉井の憑依型とはまた違うシアトリカルな楽曲の雰囲気、むたくた貴重だな〜と改めて思ったな。汚れたお金はチョト欲しい、って歌うロビンちゃん永遠に大好きだよ。Neuroticの曲間で「拍手でエマさんコールをやる」「拍手でハッピーバースデーを歌う」という無理筋のお題が出るも、なかなかにデキるオーディエンス、マジで一発で決めたのすごかった。褒めて伸ばすロビンせんせいもご満悦でした。個人的には「エマさん」を「エマさ〜ん」にしてみよう(拍手で)ってことで、最後にぱあっと花が開くように手を広げるようリクエストがあったんだけど、それをヒーセもアニーも一緒にやってるのがね、このバンドのかわいさが天元突破してたよ。

 

そしてお待ちかね、みんな大好きイエ・イエ・コスメティック・ラヴのお時間です!!はーーー!!ありがたいー!!そんで、このときモニターが全面ニコ生の画面になって、見てる人のコメントがざーーーっと!ざざーーーっと!!これほんとすっごく!!!よかった。なんかねえ、ステージを挟んであっちとこっちで握手をしたようなね、そんな感覚になりました。モニタに映る「コメント流れてる!」「会場に行けたみたい」「大好き!」の嵐、ホントあの瞬間マジで愛しかなかったな。しかも曲がイエイエでしょー!?この曲でコメント流そうって決めたひとにお歳暮を贈りたいです。でもってイエイエももっといっぱいやってくれていいんだからね!!!ちゃんと「け、け、け、結婚してくれ!」ゆうてくれてたし、声が出せないからというのもあるけど、こうしたハッキリしたアクションつきのコール&レスポンスがある曲はむちゃくちゃ盛り上がるんだよね。吉井が最初のコールのまえに「わかってる!?」って言ったのもよかったなー。

 

MCで、今日は客入れのSEも「エマさんに捧ぐセレクト」をしたらしい吉井がしみじみと「自分とヒーセは音楽的な趣味も似通ったところがあるけど、菊地兄弟はしみじみと変態」「ここまで10曲やったけど、THE YELLOW MONKEYだけどTHE YELLOW MONKEYじゃないみたい」「(ヒーセに)兄弟が入ってくれてよかった、俺らだけだったら大変なことになってたね」と語り、アニーがここで「大事だけど変わった臓器」と言ったのに吉井も我が意を得たりと「さすが頭いい!」とわちゃわちゃしていた。私はと言えば開始から吉井がエマの年齢を「59」「58」と刻み、ここで「57」(正解は56)と重ねてボケるのを、エマがずーっと「まだ遠い」「まだ遠い」と、決して「いや56だし」と吉井のボケを殺さないツッコミをしているそのやさしさライセンスに打たれておりました。あと後半はもうステージの4人が4人だけで楽しい時間と化しており、4人がオフマイクで何か言っては笑うっていう…うんうん楽しいんだねうんうんよかったね、と孫を見るおばあの目線もかくやであった。

 

この楽曲をやるのは間違いないだろうなと思ってた空の青、これほんと代々木の思い出の曲になったなーと思った。こうして思い出って地層のように積みあがっていくんだな、それがまた何年後かには「忘れられない日」として刻まれていって、また思い出になって…っていう。空の青終わりでモニタが逆回しの映像になったのも、「奇跡を信じています」の言葉が出たのも、2016年があったからこその演出で、THE YELLOW MONKEYがこの場所でライヴをやるのは2016年ぶりではあるんだけど、でもそこから今まで積み上げたものがあるからこそこれを「懐かしい」と思えるんだよな。

 

どレア&どコアなエマ曲固め打ちから一転、後半はザ・王道!!というセットリストでした。これ、終演後にこのセトリの流れ誰のアイデアだろ?ってお友達と話してて、私は最初吉井なのでは?つってたんだけど、いやーこういうのはもうスタッフ発なんじゃないかって言われて確かにな〜と思ったんだった。吉井ってわりとセトリの流れについては頑固というか、美しい流れにこだわるところがあるし、だからこそ生まれた名シークエンスが山ほどあるわけだけど、ここまでの固め打ちってのは確かにこのバンドにとって新境地感あるよなと。

 

ALRIGHTも改めて代々木を象徴する楽曲だなーと思ったし、バラ色も、今までいろんな場面で聴いてきた楽曲でも、この場所で聴くとやっぱり2016年のことを思い出すのが不思議。あとSUCKね!!私はさーもうてっきり、ハイ今日はお誕生日だからね!マスクも売ることだし!存分におやんなさい!おやんなさいな!と思って身構えてたんだけど、あっさりスルーしたので(絡みを)、いや…チッスせえへんのかい!と完全に心が吉本芸人になっていました。なんなのこの飴と鞭…飴と鞭…?なのか…?

 

本編ラストはHorizonで、スペシャルエマデーを〆るにふさわしく1サビをエマが歌うという。ここでとっさにいつもヒーセとエマがコーラスをやってる1サビをエマメインで、って振る吉井もすごいし、ここでスパッと歌うエマもかっこいい。ダブルネックのHorizon新鮮だったなー、わたしエマのダブルネック大好きだからホントいつ何時でも歓迎しますよ…。

 

アンコールもゴリゴリの王道選曲で、天道虫からのラブショー、そしてASIAN。ラブショーで、これは今日はひさびさに言ってくれるのでは?と思った「あなたは私のエマ」が期待通り聴けて大満足でした。ASIANの電飾見ながら、2016年5月11日の代々木のライヴで、今考えたらそんなことあるわけないのに、ASIANをやらなかったらどうしよう…って怯えてたことを思い出したりしましたよ。

 

メンバー紹介も、何しろ4人がとにかく楽しそうでしょーがねー!って感じだったな〜。途中のMCで菊地兄弟を腎臓とたとえたのを引っ張ってヒーセが吉井をTHE YELLOW MONKEYの心臓、つったんだけど、それを吉井がまぜっかえして膀胱?股間?股間は臓器じゃないじゃん!とか言いながら、on VOCALをon膀胱といい発音で言ってみたりして、ヒーセに5秒じっとして!と言いながら1秒で笑いが止まらない吉井とか、「止まってるの不自然!」ってエマと言い合ったりしてるのとか、それ聞いて爆笑してるアニーとか、エマのティッシュ借りて涙をふくアニーとか、またつられて自分も涙をふくエマとか、兄弟で拭いているのレアだよ!っていう吉井とか、なんかもう完全に4人が楽しそうすぎたよ。ほんとそれが何よりだよ。

 

ラストの曲はJAMで、一瞬意外だな、と思いつつも、いやそういえば、2016年の再集結のツアー、ラストナンバーはJAMだったのだった。そういうところでも、なんだか律儀なひとたちだなと改めて思った。

 

終わった後も4人が去りがたく、私たちにはまったく聞こえないオフマイクの会話でゲラゲラ笑っていて、笑いながら去っていって、あーーー終わっちゃった…となんだか彼らが消えた舞台のそでをずーっと見てしまうような心持ちになった。

 

途中のMCで、次の武道館が終わったら次の予定は決まっていない、2016年から今まで突っ走ってここまで来たから、しばらく休んで好きなことするのもいいかもしれない、と話し、はっきりと「お休みにはいります」という宣言があった。ファンというのは都合のいいことしか見ない生き物なので、なんだかこうして4月の東京ドームを仕切り直したことで、また気が変わったりして…なんてことを思ったりしなかったといえばうそになるけど、そうは問屋が卸さないのよね。

 

寂しいけど、この日遠くのステージの彼らを見ていて、結局のところ、こうしてずっと好きなんだなって思ったし、離れてる時間があっても割と平気なほうだと思ってるんだけど、それでも寂しさの気持ちのメモリが減らないのは、やっぱりどこかに、今のこの世界に、不安を抱いているからなのかもしれない。実際に何が、というわけではないけど、私は勝手にこの1年間、このバンドに、吉井さんに依存していたところがずいぶんあった。

 

でも、「2016年からのシーズン2は、ちょっとまじめにやりすぎた」「次に帰ってくるときは、もっと好き勝手やらしてもらう」という吉井のコメントにはそう、そう!そうでなくちゃ!と思ったし、私は芯からこのバンドに振り回されることが大好きなんだなと思い知りましたね。

 

最後に、バラ色のときに吉井和哉が言っていた言葉を引用します。あまりにも完成されたフレーズで、これがあのライヴの興奮の中で出てくるとは、あんたマジで天才なんじゃないかと思わず配信見ながら書き留めました。どんなときでもライヴという場に光をもたらすバンドだし、本当に好きになってよかったと思った夜でした。

 

声に出す声より

身体の中に響かせる声に出せない声の方が

もっとでかいかもしれませんから

心の中でたくさん大きな声で歌ってください

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23:41 | comments(3) | -

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE YOKOHAMA SPECIALに行ってきたのよ

YOKOHAMA SPECIALと名付けられるライヴは二度目で、2016年再集結の年のそれはFIX THE SICKSツアーをなぞって「RAINBOW MAN」がオープニングを飾った。そのときのライヴの感想に私はこう書いている。「ゴージャスをあの頃のアレンジまま聞くことができて、SO YOUNGをもう一度聞くことができて、でもオープニングで「パンチドランカー」をまた、やってくれないだろうかという願いは叶わなくて、叶った夢もあれば、夢は夢のままだったものもありました」。二度目の今夜、今度はもしかしたら、その夢が叶うのではないか。そう考えなかったといえばうそになります。

 

開演時刻をすこし過ぎたあと暗転し、そこで聞こえてきたSEはなんと「ロッキーのテーマ」。ご存知の通り、113本という超ロングツアーだった「パンチドランカーツアー」の最終日、1999年3月10日のSEがこの「ロッキーのテーマ」でした(最終日以外はギリシャの民族音楽である「オマル」が出囃子)。もうこの曲が流れている以上、1曲目に何が来るかはわかりきっている。このSEが流れた瞬間ほど、声の出せない苦しさを味わったことはなかったかもしれません。

 

1曲目のパンチドランカー、かつての王者の帰還ともいうべき貫禄のオープニング、最高でした。吉井が紫のスリーピースに赤いファイアーバードを引っ提げてて、それだけでもう完ぺきだった。ヨコハマー!のコールの入るタイミングもあの頃のままで、簡易タイムマシンに乗ったような一瞬でした。BURN、楽園と1996年〜1997年のシングルがそれに続くのも、すごく横アリっぽい。楽園は再集結後かなりひんぱんにセットリストに入る曲だけれど、この日はまたエマのギターが文字通り自由闊達ですばらしかったな。

 

最初のMCで横アリのことを「ホームグラウンド」と言っていたけれど、本当にむたくた馴染む、スタンド後方から見るこのステージと4人の佇まい。そして今日も出ました「声はいらないから、身体でください」。いやほんと名言すぎるなこれ!

 

横アリ、といえば!なTVのシンガー。うしろのモニターの映像がむちゃくちゃ高橋栄樹テイストありつつ、しかしかっきりとオリジナルですごくはまってた。ギター、のあとのエマのソロ、ビシーッと指差しが出てていやもうエマ絶好調じゃん!あ、いつもか!ってなりました。いやホント、この日はバンドの音もすごくタイトでそれもあの頃を彷彿とさせたなー。そしてTVのシンガーがきたらこれが来るしかない、ゴージャス!!この2曲はパンチドランカーのアリーナツアーでもこの流れで演奏されてて、間髪入れずの繋ぎがまあもう昨日までやってたんですか?ってぐらい手の内に入ってるので笑った。もうこの人たちもTVのシンガーのあとにゴージャスが続かないと居心地悪いぐらいなのでは?この曲のご当地コール、本当に大好き。ヨコハマーーーーーって吉井ちゃんもめちゃ気持ちよさそうに叫んでたね。あと濡れ場でござんすがエロすぎたね。濡れ場でござんすってのが歌詞に出てくるの最高にTHE YELLOW MONKEYのロックって感じだよね。最後エマのギターと掛け合いする?しない?と思ったけどそこはしなかったさすがに。続いてO.K.。おお、これはスプリングツアーの香りですね。再集結してからアコースティックバージョンでやったのが印象的だけど、原曲のかっこよさも推したい。スプリンクラーでくるくる回って君を濡らしてく、で水をびしゃびしゃかける当て振りしてたの最高でした。

 

この日は曲間も観客の拍手がずーっと続いてて、なんとなくみんな無音にしたくないって意思が働いてたような気がするんだけど、吉井ちゃんが次のMCで「手、痛くない?」って気遣ってくれたので最高に報われました。そのあとに「そのうち手に貼るやつが発明されたりして!」とも言ってたけど。懐かしの横浜アリーナっぽい楽曲をたくさん用意してまいりました、ってもう今この時点でかなり胸いっぱいなわけですが。95年頃から続いていたロンドンレコーディングとこの横浜アリーナは密接につながってて、そういう淡い、切ない空気感を感じてもらえたら…というのでピャッ!淡い心…?と思ったらNAIがきたのであっそっちーっていやなにこの贅沢な感じ…!みんな大好きNAI、思えばFIXのときにリリースされた直後だったラブショーのカップリングで、吉井ちゃんが「カップリングも大人気」つってたな…と懐かしく思い出したり。最後に吉井がゆっくり後ろに倒れるアクションもそのまんまだったね。でもってこの流れで聴く聖なる海とサンシャインがまたよかった。つーかヒーセのベースが本当に最高。途中でエマがピックくわえるのやっててぬおー!いまのー!巻き戻してー!ってなりました(無理)。

 

ここで吉井がジャケットをオフ。ヒーセもオフ。そしたら吉井がヒーセのベストにウサギが、って言ってたんだけどモニタではよくわかんなかったー(遠かったし)。あとで配信の映像見たらめっちゃうさちゃんだったし、さらにその正体(ブランドと価格)を知ったらめっちゃすごいうさちゃんだった。あんなの着こなせるのヒーセしかいませんよ。東京ドームから2回目だけど、声が出したいのに出せないってすごく性的に刺激される、いいよね、拘束的な…アニーもすきでしょ?とか言ってていやもうそれでこそ吉井和哉と思いましたよね。実際、今日はもうそれを逆手にとってぐいぐいパフォーマンス押してくるみたいな感じあったしね。

 

横アリはエロいんだよ〜〜つって花吹雪。いやお前がな!途中でゆっくりデコルテなぞるように首に手を回して髪をかき上げてしまいにマイクスタンドにしなだれかかるみたいなアレ(ドレ)が出た時リアル腰砕けになりましたもん。いやすごいな…知ってたけど!おまえのエロさ!すごいな!花吹雪とHOTEL宇宙船のSICKS勢の並びごちそうさまです。このHOTEL宇宙船のときの吉井がほんっと楽しそうで、ヒーセに「うさちゃーーーん」つったり月面歩行のマイムみたいなのやりながらアニーに「おまえもやれよ」(どうしろと?)(私の心の声)つったりしてて笑いました。

 

続いてSHOCK HEARTS!!!いやマジで「横アリ詰め合わせ」なセットリストにふるえる。でもってこのSHOCK HEARTS最高じゃなかったです?SHOCK HEARTSの歴代最高打点出ちゃったんじゃないです?吉井がオーディエンスを完全にコントロールしてて、それだけじゃなくて「声出せない」ってことを忘れさせるような、目に見えるかたちでオーディエンスのブチ上がりようを見られて、むちゃくちゃよかった。サビのところさー、アニーちょっとアレンジ変えてたよね?(たまった有耶無耶と…のところ)ここにきてそういう変化があるのがまたうれしいオタク。あと「はーらそう」「いつか」「はーらそう」「ぜったい!」「ぜーーーー!!」の歌割天才でした。吉井のパフォーマンスがほんとキレッキレだったなー。

 

そこから天国旅行に行く、この落差がTHE YELLOW MONKEY。知ってました。しかし、この曲をやってるときの「イン・ザ・ゾーン」感ってなんなんだろう。吉井だけじゃなくバンドの空気が完全にそうなる。メインモニタの映像が、またFIXのときの栄樹をこれまた彷彿とさせて、むちゃくちゃにマッチしててよかった。天国旅行のときの吉井はなんかもう、ぐっと大きく背中をそらすその様までもう絵のようなんだよ…。あとエマのギターね。エマが昔のインタビューで、天国旅行がセットリストにあるときはそれがぼくの核だった、つってたの思い出しちゃったよ。

 

SHOCK HEARTSからの天国旅行で次がMY WINDING ROAD。情緒!ころす気か!ビッカビカに光るエマボルタ先生のギターで踊る踊る。吉井がいったん脱いだジャケットをまた着てきて「あ…あたらしい!」ってなった。この曲のサビのところ、いつも聞くたびに「あーーーーたのしくってしかたねえなああーーーー!!!」って思ってた20年前の自分を思い出すんだよね。セクシー、でやっぱりエマみちゃうんですけど(そりゃあね)、吉井もむちゃくちゃ指差ししとってお前もかい!ってなった。そこからのラブショー、盛り上がらんわけない。知らないマスクを取ろう、つって取っちゃダメって言いたすの可愛すぎか。それじゃさよなら、いやまださよならじゃない!も可愛すぎか。あとアウトロの吉井のフェイクをエマがギターでなぞるの最高じゃなかったです?って私このレポで何回最高つってたんだろ。語彙!仕事して!

 

ここまでで相当キてるのにここで甘い経験ですよ。そうだった…このひとたちの横アリ、それはいつだって心臓破りの坂のごとし、これでもか!とアッパーなナンバーを叩き込まれるんだった。わかってるわねヨコハマ、って女言葉で煽られて昇天しないファンなどいない。もちろんわかってますとも!!パンチドランカーツアー113本皆勤曲、間奏で「おれと同じ踊りを踊れ」と煽られるこの曲、吉井がなんのエクスキューズもなしに「左からやる?」つーのがもうね、ほんと、だいすきだよ。一席飛ばしだからこそ今日は気兼ねなく「同じ踊り」が踊れるはず!ってがんばったけど、その前に寄る年波がすごすぎて完全に膝が笑ったのであのあとで普通に歌える吉井ちゃんは偉大です。

 

息も絶え絶えなところで鶴ちゃんの鍵盤の音が響いて「バラ色の日々」。こうしてやることには批判もあるだろうけど、エンタテイメントの灯を消したくない、という言葉にもちろんぐっときたし、いいファンがついてますねって言われます、先生自慢です!って吉井ちゃんに言われてそりゃぐっとくるなんてもんじゃなかったし、そこにSingLoud企画のコーラスと、皆が思い思いに掲げるタオルが目に入って、いやほんとに泣けた。いいスタッフに恵まれてるってゆってたけど、ほんとにそうだな。ありがとう、生涯愛してます!って言われたのもまた涙腺をバカにするのでほんと…ありがとうございます…。アウトロで吉井が一番後ろもありがとう!って言ったとき、スタンド正面最後列、ステージからいちばん遠い席のみんながビシーッとタオルを高々と掲げてて、それがむちゃくちゃいい光景だった。思い出しても涙が出る。

 

本編最後はASIAN。スタンドの後ろの方から見るワイパーの波、ほんと大好きだ。柵を越えて花道の先まで出て歌ってたなー。今日はセンターで、エマとヒーセの肩を抱いてのコールだった。いつかナンバー1ロックンロールバンド、ってまた言ってほしいなってずっと思ってたけど、なんかそういうのももういいのかなってこの光景を見てると思えたな。もっと違うなにかがこの曲やこのみんなで紡ぐコールには生まれてるんだろうなって。そう思えるくらいいいライヴだったってことなんだろうけど。

 

アンコール1曲目はきました!ありがとう!「見てないようで見てる」。はーマジで今日のセットリスト、私の思う横アリナンバーと解釈の一致がすぎる。でもって横アリでやると曲のピッチが速くなるのは何のマジックなんでしょうか。いいぞもっとやれ。おかわりして、おかわりもっと欲しがって、って台詞がクッソえろく聞こえるロックスター最高です。あんたあの子のなんなのさー!もしっかり叫んでくれてもう満腹ですよ。

 

ここで天道虫!唯一の再集結後の楽曲だけど、これがまた横アリに映えるんだ。ずっと思ってたけど天道虫のときのヒーセはなんかもう…ヤバイものが出てますよね。かっこいいがすぎる。このあとでパールがきたのも、そういえば吉井ちゃんが以前インタビューで、2000年に出したシングルはみんな「ねがい」の曲、われわれは「ねがい」を置いて休止に入ったわけですね、つってたのを思い出したり。今日のMCで「THE YELLOW MONKEYもうだめかもしれないって、隙間からいろんなものがはいりこんできた時期」ってスプリングツアーのことを言ってたけど、そのときにこのただただ祈りを貫くようなスピードの「パール」の、その速さに慰められてた部分がたくさんあったなってことも思い出したりした。

 

このあと、メンバー紹介させてください、って入ったので「あーきょうALRIGHTやんないんだ」と思った。エマのときに「高いギターめっちゃ買ってる」っていうので「いやお前もやん」と心の中でツッコむわたし。ギターの保険でギターが買える!そうです!夢あるね!そうでなくちゃ!でもってヒーセが吉井を紹介するときに「この男のおかげで…おかげで…………………」ってなったのでどちたどちたー?って思ったら「あとは皆さんで」とか言い出すので最高すぎた。そりゃエマもティッシュで涙拭くわ。そのあと「この男のおかげで日本のロックはまた光を取り戻すでしょう」ってむちゃいいこと言ってくれてたけど。

 

最初のアリーナツアーだったり、113本のツアーの最終日4daysがここだったり…ずっと横アリに見守られていたような、この会場をいつもぼくは大海原のようだってたとえるんですけど、すごく広々とした気持ちで歌える、だいすきな会場なので、この横アリでこれからも素晴らしいエンタテイメントが続くことを願います。それでは、とてもたいへんだったけど、我々の勲章になったパンチドランカーツアーのラストナンバーを聴いてください。

 

かつては懲役のようだったとたとえられた、あの過酷で、でもだからこそ同時にファンの心のかけらをたくさん盗んでいった、いつまでも消えない、大事にそのあとをなぞりたくなる傷のようなあのツアーのことを、「勲章」と30周年の記念のライヴで言ってもらえたこと、勝手に報われたような思いがしたし、そんな思いのなかで聴くSO YOUNGは本当に、格別でした。

 

ロッキーのテーマで登場し、パンチドランカーで始まり、SO YOUNGで終わる。まさに3.10そのものの構図だけれど、でもその中にあるのはいろんなものを経たうえでの楽曲、思い出、それだけじゃない新しい楽しみが詰まっていて、報われた、夢がかなった、それと同時にやっぱりずっとこのバンドについていきたいと思わせる一夜でした。パンドラの匣の中に最後に残っていたのは、やっぱり希望だったね。

 

ふり返ってみればJAMやSUCKなどのライヴの定番曲はないけど、でもそこも本当に解釈一致というか、横アリならば、という視点で選ばれたセットリストだと思ったし、ASIANと天道虫をのぞけば、すべて「楽園」以降のファンハウス移籍後のナンバーばかりなんですよね。この楽曲たちとアリーナでのライヴを鍛え上げていった、そのタフネスさがどの楽曲にも宿っていたし、オーディエンスが声が出せないというハンデがあっても、ライヴのために磨き上げられた楽曲の底力がバンドを大きく押し上げているのを毎分毎秒感じられるようで、文字通り夢のような時間でした。

 

この場にいられたことは本当にただの幸運でしかなく、その幸運もいろんなひとの自制のおかげであり得た幸運なんだということを忘れないでいたいです。本当に楽しかった。感謝の言葉しか、今はありません。ありがとう、ありがとう、ありがとう。

 

 

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23:28 | comments(8) | -

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE DOME SPECIALに行ってきたのよ

声はいらないから、身体でください。

と、吉井和哉は言った。

 

今回のドームの座席、アリーナのブロック割がぜんぜん見当つかず、とはいえなんとなくエマ側の斜め後ろの方かな〜などと予想していたのだが、座席についてみたらこれがファンが一度は夢に見るであろう、センターブロックの花道真横で、しかも私の前には片手で足りるような人数しかいない。私と吉井ちゃんの間を阻むものは何もない!!というお席でした。私も友人も席について動揺のあまりキョドってたけど、あとから来る近くの席の人がもれなく全員キョドってたので「いやわかりますよ…」ってなった。ドームでこんないい席初めてじゃないか。というか、東京ドームはアリーナに降りたのすら初めてだ。

 

そんなつもりなかったけど、行きの新幹線のなかで一睡もできず、緊張していたのかなあと思う。指定された入場時間に会場に向かい、COCOAの確認(日数と接触なしの画面をその場で確認されるので、スクリーンショットではだめ)、アルコールで手指消毒、検温、電子チケット確認、足ふき消毒マットを通って会場内へ。入場は流れるようにすすんで、まったくストレスはなかった。

 

開演前にTYMSプロジェクトの石坂さんから諸注意。座席に置いてあるフリフラ(センサーで光るリストバンド)は、1席空けの空席にも置いてあるので、よければ自分のとなりの空席の分も自由に使ってほしい。使ったフリフラは退場時に回収するので、近くの空席の分も一緒に回収してきてもらえるとスタッフがとても喜びます。座席の背もたれに東京ドームアラートの登録バーコードがあるので、登録に協力してください。退場時には規制退場の指示があるまでお席でお待ちください。お願い事ばかりで、大声を出したり歌ったりはだめだけど、でもそれ以外はいつもどおりです。立って、身体をゆらして、楽しんでください。家に帰って、このあと陽性反応が出た人がいたら、COCOAで申告してください。コロナ禍以降、ドームでの有観客ライヴはきょうが初めてです。エンタテイメント業界においても、とても注目されています。みんなで成功させましょう。

 

カウント0ぴったりで暗転し、一瞬ふわっと観客の声が出かかるが、それをぐっと抑えて手拍子に転化していくのが肌でわかるような感じだった。スクリーンにリハやバックステージのようすが映し出され、メンバー登場、はじまった1曲目は「真珠色の革命時代」。

 

客も緊張してるし、やってる方も緊張してるし(してただろう)で、しかも真珠色なんて今までライヴの後半も後半に登場するのが定石みたいな曲なので、こんな楷書の真珠色を見るのはなかなか貴重だった。吉井さんの衣装が三つ揃いだったので、あのジャケットの下にベストが…!ベスト久しぶりすぎる…!とまだ脱いでもいないジャケットの下に興奮したりしておりました。追憶のマーメイド、SPARKと続いたけど、追憶、もうすっかり手の内にはいってるじゃん。マジで、いったん解禁したらぐいぐいやるじゃん。なんだったのあのどうひっくり返ってもセトリに入らかった冬の時代は。やってみたら意外といい感じだったんでしょうかいいぞもっとやれ。あとSPARKのサビのところで花道にころがった時、立ち上がりざま舌なめずりしてましたよね吉井さん。あたしゃ見逃さなかったよ。

 

最初のMCで「もう細かいことはいいや、」と言ったのがよかったな。楽しんでください、最高の夜にしたいとおもいます、といういつものやつ。「見た感じちゃんと満員だ」といったときの顔、なんかぐっときたな。だってさあ、ソロで武道館やったとき、全方位じゃなかったら「うしろ(北)も入れるからな今度は!」って言ったり、ソロ初の大阪城ホールでソールドアウトしなかったら「来なかった800人に後悔させてやるようなライヴにする」とか言っちゃうひとだもの。大きいハコをいっぱいにする、ということもこのバンドにとって重要な、やり遂げたいことだったとおもうので、今のこの現状に勿論思うところは多々あるだろうなと。

 

Tacticsのとき、吉井がギターを弾きながら腰をおおきくグラインドさせて、「身体でください、身体で。声はいらないから、身体でください」と言ったのが、もうあまりにもあまりで、あまりに最高すぎて、この台詞が似合う声と顔と体と楽曲を持ち合わせてるこのバンド、マジ最高に推せるし、コロナ禍における名MC10選に入るんじゃないでしょうか(私調べ)。

 

しかし、Tacticsといえばコール&レスポンスが名物だけど、本当に誰も、ビタイチ声を出していなかった、観客が。でも吉井のコールに応えたい気持ちは一山いくらで売りたいほど溢れてるわけで、その溢れた気持ちが観客それぞれいろんな反応になって出てきてたんじゃないかな。わたしも、それなりに長いことライヴ通いをしているから、この曲のときはこう、みたいなお約束に安住しているようなところがあったけれど、そんなお約束という手足を封じられて、それでも必死になんとか!ステージに!届けー!と思いながら客席にいるのが新鮮だった。最初にTHE YELLOW MONKEYのライヴをみたとき、楽曲もあまり知らず、ライヴでのお約束も知らず、手拍子?するの?しないの?みたいな感じだった頃の気持ちにもう一度立ち返ったような気さえした。

 

2月の大阪ドームのとき、後半の吉井さんの声の調子がちょっとひっかかってたので、今日も久しぶりだし、久しぶりなうえにドームだし、どうかな…とおもっていたのだけど、球根のときにぐいぐい歌えてたので、よかった、長期間休むのはそういう意味ではいいこともあるよなと思ったな。あとね、これは今日はぜったい見逃さないでおこうと思っていた、エマが最初ピックをくわえてて、途中で持ち替えるやつ。ガン見しました。ちょうエロい。基本的に吉井にロックオンしちゃうひとだけど、エマはもういつ見ても安定のキメでそこにいる。ありがたい。エマのギターソロのとき、吉井が後ろに下がってモニターを見てた後ろ姿もよかった。

 

サブステに向かうときにマジでメンバーが真横を通ることになるんだけど、いやあれよ、普段なら客がワーーっと押しかけてきそうなもんじゃん。もうね、誰ひとり動かない。一席空けの、その一席すら詰めない。すごいよ。ぶんぶん手を振って、タオルを胸の前で掲げたり、跳んだり、でも声は出さず、なんつーか…健気だった、あのときのみんな。あれこそまさに「届け!」って気持ちしかない瞬間だったなとおもう。そりゃあ19000人いれば、いろんな人もいるだろうし、全員の想いがひとつなんてのはまあ、幻想だけれど、その幻想をちょっと信じてもいいんじゃないかと思えるほど、あのときの客席の規律はすばらしかった。

 

それはそれとして、花道をあるく吉井さんとわたし、完全に目が合いましたし、さらに言えばエマとはもっと目が合いました。合いました。合いましたとも(ぐるぐる目)。

 

サブステ1曲目は「花吹雪」で、吉井がしばらくこっちで、4人だけで…と言った直後にめちゃキーボードメインの曲やるやん!とおかしかった。鶴ちゃんいつもありがとう。サブステのようすはとうぜん背中越しに見ることになるんだけど、客席が千鳥なので座席からでもアニーの背中がよく見えたし(それにつけてもアニーのジャケットの派手さよ)、メンバーがスススとアニーの方に寄ってきてコンタクトとる様子とか見られたので楽しかった。なんどかふり返ってメインステージのモニターを見たりもしたんだけど、ちょうどFOUR SEASONSの最後のところがばっちり見れて、吉井の余りのかっこよさに膝から崩れ落ちたね…。

 

今回のドームツアー、3か所共に登板となったFOXYからSLEEPLESSの流れ、これもう国宝認定しちゃっていいんじゃないですか。あんなにこらえてたのに、SLEEPLESSのタンバリン飛んでくるところで「ギャッ」みたいな声が漏れたの正直すまんかった。あんな反射的に声が出るとは。だって飛んでくるって知ってるのに〜!しかも背中越しに見てるだけなのに〜!熱帯夜からのBURN、真夏のスタジアムツアーを彷彿とさせる流れ。熱帯夜は観客もアクションがとりやすいし大きな会場映えするのでセトリに入るのではと期待してました。アウトロのI'm gonna take your handsを1回だけwash your handsに替えて歌ったのが吉井ちゃんらしい反射神経。しかしサブステでBURNなんて贅沢だよなあ〜!

 

2001年1月8日にTHE YELLOW MONKEYはその日の東京ドームのライヴを最後に活動休止して解散したけど、その最後の東京ドームのライヴを晴れ晴れとした気持ちでできなかった、それがずっと心の中に残っていて、いつかやれたらいいなと思っていた、と。それが今年の4月にかなうはずだったけれど、まあこういうことになって…「THE YELLOW MONKEYらしいというか、なかなか気持ちいい思いをさせてもらえないな、なんて」。そうだね。それは私もそう思った。そう思ったというのは、なかなか「気を済ませる」ことをさせてくれない星回りにいるよなって。でも続けて吉井ちゃんも言ってたけど、こうして有観客でのライヴとしてやれたこと、THE YELLOW MONKEYらしい姿をおぼえていてほしい、って、このバンドはいつもそういう一勝一敗も、のたうち回るところも含めてオーディエンスと共有してきたバンドだものね。そのバンドのロックンロールを聴いてください、といって、JAM。東京ドームのJAMはやはり、なにかがその魂に乗り移ったようなパフォーマンスになるよなと思った。アニーのハイハットのあとにお約束の歓声は聞こえず、その代わり、大きな拍手が沸き起こっていた。中盤のオーディエンスに歌を託す場面で、Sing Loud企画で送られた、沢山のひとたちの歌声がドームに響き渡っていた。

 

花道をメンバーが戻ってくるときも、観客みんなひたすらに声以外のものに喜びと興奮を託していて、そうやってメンバーを見送って、ほんとうにすごいなと心の底から思いました。いったんメンバーはハケたけど、鶴ちゃんは残ってそのまま鍵盤の音が。途中で「…これは…!?」と思ったら、そのまま「メロメ」のイントロに。

 

事前に公開された「ROAD TO TOKYO DOME」の動画で、コーラス隊のイラストがあったから、当初はコーラス隊を入れる予定があったんだろうなと思ってたんですが、この「メロメ」でコーラスを入れる予定だったんですね。逆光の照明のなか、センターに吉井がひとり佇んでいて、掛け値なしに約20年ぶりの「メロメ」を聴けました。今回の名古屋、大阪、そして東京とそれぞれのハコで、それぞれの特異点、その日のキモとでもいうべき楽曲があるけれど、この日のキモはまさにこの「メロメ」だっただろうと思う。さっきのMCで吉井自らが言っていた、晴れ晴れとした気持ちでできなかったというその日をこの1曲で取り返すような、真の意味での雪解け、あの1月8日の寒かったドームの景色に色がつくような、そんな瞬間だった。

 

そんでそのおセンチの花今こそ咲き誇るみたいな雰囲気のなかで切り裂くように天道虫のイントロぶっこんでくるっていう、そうこの落差こそがTHE YELLOW MONKEYでしたねそういえば。ここで!吉井が!ジャケットを脱いだ!!ベストーーー!!!!ありがとうございますーーーー!!!そしてアニーもここでジャケット脱いだァーーー!!あっそういえば特効のフゥー!はどうすんのかなと思ってたら吉井ちゃんがひとりで叫んでそのあとにクソデカ特効が爆発しました。火薬のにおいがすごい!いつもより多めに爆発させております的なアレなのか。そしてパンチドランカーになだれ込むわけですけど、いやもうね、あまりにもかっこいい。全員かっこいいんだけど、特にヒーセのかっこよさがもう、たぶんこれ劇物指定食らうやつ。この楽曲の鋼のようなタフネスさ、まじで愛しているし、この曲をこんなふうに繰り返しセットリストに入れてくれる日がこようとは…って、センチメンタルになろうとしてもね、もうかっこよすぎてそんな暇ない。あの間奏のところとかさ、文字通り四天王状態じゃない?でもって「まだまだまだ見えないまだわからない、まだまだまだ消えないまだ倒れない、まだまだまだやめないまだ眠れない」って、いまこの時に聴くとまた違った意味合いをもって迫ってくる。

 

ここからラブコミ、バラ色、SUCKそしてパールと、これもライヴ映えする曲の連打。ラブコミ、実はひそかにやんないかなーと願っていて、これも観客のアクションが取りやすい曲だしやってくれそうな気がする!と思ってたら気持ちが通じた(美しい誤解)。どんどん好きになるんだよなこの曲。このまま夜空の宝石になって…って、すごく美しい。まるで我が身はむせびなく、で英昭!あなたの英昭!つったあと、不滅の八重歯!て時事ネタをここぞとばかりにぶっ込む吉井であることよ。

 

バラ色の前のMCで「望む形じゃなかったかもしれないけど、この日のライヴを自分の歴史に刻もうと思う」って吉井が言ったら、ヒーセが自分の胸を拳でとんとんと叩いたのがね、すごくぐっときた。30周年だけど、今日から新しい時代が始まったと思う、っていうのを聴いて、本当にこの人、113本のツアーの最終日に「今日もまた、何かの初日であるでしょう」ってゆったひとだよなやっぱり、って思ったし、この台詞が出るってことは、やっぱり本当ならここでひとつ句読点を打つつもりだったのかなって思った。バラ色のときの場内に流れた歌声もすばらしかったよ。企画を最初聞いたときはぜんぜんピンときてなかったけど、振り返ってみて本当にやってよかったし、スタッフ慧眼すぎるし、なによりメンバーにとってむたくた嬉しいファンからの贈り物として響いたんじゃないでしょうか。

 

SUCKはさ、いやー絡みなしでやんのかな、とか思ったけど、そんなことでめげるこのひとらじゃなかった…っていうか、吉井がおもむろにマスクをつけた時点でさすがに笑い声がね、漏れたよ。漏れましたよ。なにがすごいってあのマスクつけた吉井と向かい合ってビタイチ動揺しないエマだよ。マジすごすぎる。あのマスク特注なの?どこにお金かけてんの?完全に正しい予算の使い方です本当にありがとうございました。デッカイイチモツベイベーがね、叫べないのがくやしいけど、心の中で盛大に叫んでおいたんで。このSUCKのあとにパールが続いたのがなかなか珍しい流れという感じだったけど、このパールよかったなあ。やっぱりこれもまた、リリースされた当時といまこの時で違う響き方をする楽曲。名曲ですね。

 

本編最後は「未来はみないで」。再集結しようときめて最初に作った楽曲だったけど、このタイミングで世に出ることになって、こんな世の中になると思わないでつけたタイトルの、って言ったのが本当にそうだな…と思ったし、そんな風に時代と「合ってしまう」ことってあるよね。それもちゃんと時代と生きているアーティストならではとも思うし。

 

アンコールは「楽園」から。吉井はベスト脱いでるしエマもヒーセもジャケット脱いできた。しかしさすがうちのバンド、脱いでも変わらず派手。そういえば吉井ちゃんがしてたブレスがむちゃくちゃかわいかったんだよ…あれどこのなんだろう…でも…お高いんでしょう…?(そりゃそうだよ)あとSUCKのときもやってたけど、楽園からALRIGHT行く前、倒したマイクスタンドを足で引っ掛けて、スパッと掴んだのがねえ、キマりすぎてて意味もなく万歳で讃えた私だよ。ALRIGHTの、花道でメンバーが一列になるやつはぜったい遠くから見た方が美しいやつだよなーと思いながら目の前のヒーセにむかってぴょんこぴょんこ飛ぶ私なのであった。さらに言えばエマの美しいお尻も目の前で拝んだ私だ。いやーもうしばらく贅沢言いません(しばらく…?)

 

ASIANで「悲しきBOYS&GIRLS」って歌ってたなー吉井ちゃん。下手に駆けていく前にちゃんとシャツのボタンをよぶんに外してて、その律義さ、むちゃくちゃ好きだぜ、と思いました。最後は紙吹雪で、文字通り吹雪のど真ん中に私もいたわけだけど、吉井が花道に歩いてきて、その吹雪のど真ん中で、ドームの天井を見上げてて、顔にふりかかる紙吹雪をふーっと吹き飛ばして、あのコール。膝をついて倒れた吉井の顔は確かにわらっていて、紙吹雪のむこうに見えたこの光景を、もうぜったい、一生、忘れないでいたいって思った。

 

そして最後にあのイントロ。「プライマル。」ほんとうなら、これがセカンドシーズンの最後だから、セカンドシーズンの幕開けとなったこの楽曲で締めることで、ちょうどきれいに環が閉じるようになっていたんだなとおもう。でも、なかなかそんなふうにいかないのも、このバンドらしい。

 

2001年1月8日の東京ドームは、この楽曲のリリース前に行われているので、セットリストにはもちろん入っていないのだけど、その日のラストナンバーであるWELCOMEの前に、吉井がこのプライマル。の一節をアコギで弾いています。円盤持ってる方は確かめてみてね。そのプライマルがとうとうこの東京ドームで鳴らされるという意味でも感慨深かった。そしてあの当時には、どこをどう切っても「これでおしまい」と訣別を告げられるようだったこの楽曲が、2016年にこれ以上ないほど再会の意味を持った楽曲になり、そしてまた今日、「ありがとう絆と先々の長い願い」「今度は何を歌おうか」、とさらに次の扉を開ける楽曲として響くことに、たまらず涙があふれたし、ほんとうになんて名曲をものしてきたのだこのバンドは、と誇らしい気持ちでいっぱいになった。

 

横山さんが撮ってくれた写真にね、えへへ、これはぜったい映ってると思うんだ私。タオルをね、ちゃんと見えるように胸の前で掲げていたので、それも混みでこの記念すべき日に刻まれているといいなと思う。最後の最後までメンバーみんな楽しそうで仲良さげで、とくに吉井の名残惜しそうな顔がすごくよかった。きてくれてありがとう、だいすき!って、それまんまこっちの台詞ですから!

 

来るも来ないも苦渋の決断、開催そのものにも当然是々非々あって、今この時にこうして有観客でのライブをやることに「思うところ」が誰しもあるだろうと思う。実際に時間が経たないと、なにが正しかったかわからないこともあると思う。いま私たちは自分が伸ばした手の先すらも見えてないところを歩いているようなものかもしれないから。

 

このバンドも、そのスタッフも、いろいろ考えて、そしていろんなことを引き受ける覚悟のうえでのこの日だったのだろう。多くの観客がそれに応えて、なんとかこの1日を乗り越えようとしていたし、そうした思いをひしひしと感じた1日だった。普段のライヴとまったく同じではなかったけど、でも変わらないものもあるなということがわかった1日でもあった。声はなくとも、身体で伝えられるものがあった1日でもあったし、それをちゃんと受け取ってもらえたと思う。思いたい。

 

この日のラストが本来セカンドシーズンの本編終わりなら、あとの3本はいわばセカンドシーズンの「アンコール」ですね。次は横浜アリーナです。ぎりぎり、首の皮一枚でトレードで引き当てたチケットをもって、私の聖地に行ってきます!

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先ず、そろりそろりと参ろう

10月12日付で公式サイトが東京ドーム公演実施にあたっての諸注意を更新しています。

みんな読んだ?

今回の東京ドーム、入場者数制限があるとはいえ相当数の人の「移動を伴う」「大型のイベント」にバチコーンとあてはまるわけで、それだけの人数が集まるとなれば新型コロナウイルスに対する温度差が人によってかなりあることは想像に難くない。ということでうんうんまあいつものあたりまえ事項の羅列でしょ、と思う人がいるかいないかはわかりませんが、公式サイトが出している諸注意をいくつかおさらい的にピックアップしておこうかと。

 

◆公演開催地域の感染状況を踏まえ、常時マスクを着用していただき、場合によってはフェイスシールドを着用していただくことをご承諾ください。

フェイスシールドは最前とか通路際とかそういうところなのかな。マスク着用必須なのはもちろんだけど、予備も持参した方がよい。ひもがぷっちーんと切れるとか不測の事態大いにあり得る。

 

◆新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を遅くとも公演2週間前にはインストールし、公演前後でアプリを稼働してください。

遅くとも公演2週間前には、だからもう今これを読んでてアプリ入れてないひとは今!ナウ!インストールしておこ!もう間もなく(本日10月17日)2週間前だよ!!

 

◆公演会場内外にて大声による放歌高唱・声援等は行わないことをご承諾下さい。

内でも外でもだめだよ。内がだめだよってことは合唱すんなってことだよ!

 

◆公演当日、外出前に自宅で検温し、37.5 度未満であること

検温の習慣はつけといたほうがいいかもだ(ふだん外に出ないひとは特に)。公演前10日ぐらいからやると自分の平熱もわかるし体調管理に資するところ大。

 

◆入場ゲート・会場内ロビーの密集を避けるため、本公演ではご来場時間の目安をご案内させていただきます。ご来場時間は電子チケットに公演1週間前ごろ(LINEチケットのみ公演2日前)に表示されます。従来の公演よりご入場にお時間がかかることが予想されますので余裕をもってご来場いただきますようご協力の程よろしくお願い致します。目安のお時間に間に合わなかった場合、混雑状況次第では敷地外にて待機していただき最後のご案内となる場合がございます。

入場時間もあらかじめ提示するからその時間に来いよと言われてます。時間に余裕をもって行動すべし。開場15時30分、開演18時なので、いの一番に入場時間が指示されると約2時間強ドーム内で待つことになるということ…?暇つぶしのための本とか持ってった方が良いのか?会場内でもおしゃべりは控えめにの指示あるだろうし、1週間前の入場時間表示まで結構どきどきだなこれ。同じゾーンでも入場指定が一回こっきりじゃなくて2回ぐらいチャンスあるとかだったら助かるけど。

 

◆入場時は接触確認アプリ(COCOA)をインストールしているか、スマートフォン画面を提示して頂き、係員が目視にて確認致します。

ハイ!ほら!入場時に確認されるから!インストールしてない人は今ナウお願いします!

 

◆入場時はサーモグラフィカメラによる検温、係員による手指の消毒、足裏の消毒を実施致します。ご協力をお願い致します。

足裏の消毒って???となるかもだけどたぶん薬液を浸したマットで靴の裏を消毒するってことだと思う。都内の一部劇場でもやってました。

 

◆入場前のアルコール飲料の摂取、会場への持ち込みは禁止とさせていただきます。

アルコール摂取によって気と声が大きくなるからかな、ここはかなり踏み込んだ提言ですよ。会場への持ち込みはともかく「ライブ前に飲むな」ってなかなか言えない話よ。ってことは裏を返せば踏み込んだことを言わせてるってことを踏まえて厳守したいところですよ。

 

◆本公演では「東京ドームアラート(コロナ追跡システム)」を運用しております。ご自分のお座席(アリーナ席のお客様はブロック表記の案内ボード)に登録用のNFCタグもしくはQRコードがございますので、各自読み込みご登録をお願い致します。コロナ追跡だけでなく、ゲートの混雑状況も表示されるアプリとなっております。

追跡システムは自分で登録するパターン。これも当日皆忘れずやろうぜい。たとえ罹ったとしても、あとからフォローできる体制づくりに協力するのだいじ。

 

あと、公式はそこには踏み込まないけど個人的に思うところ。

ライブはもちろん楽しみだけど、それと同じくらい楽しみなのがライブのために集まった友人やフォロワーさんや、そういった「同好の士」との交歓じゃないですか。ライヴ前にあつまって思い思いにアレンジしたグッズだったりTシャツだったりを写真におさめたり、遠方から来るひとにお土産たくさん用意してくばったり、ライブのあとはもちろんアフターのお楽しみがあるわけで、いやもうライブが楽しみなのかアフターが楽しみなのかわかんないみたいな側面もあったりするじゃないですか。

駄菓子菓子。

とにかくいまは「不特定多数との接触」の機会をできる限り引き下げるのが大命題なので、こういったことはやっぱり今まで通りってわけにはいかないっつーのもまた真なりと思うわけです。特にアフターは飲食を伴う、つまりマスクを外してみんなが喋る(しかもライブ後の興奮というガソリンつき)ので、ライブ会場よりも危険性が高いとも言える。でもだからって、全員に終演後は一言もしゃべらず一目散に帰宅しろとか公式は言えないっすよね(言いたいかもしんないけど)。みんなお腹も空くしさ。喉も乾くしさ。ライブの興奮は分かち合いたいしさ。なので、これは自分の行動指針でもあるんだけど、後日自分が陽性者or濃厚接触者と判明したときに、「自分が」「直接」「私は陽性(濃厚接触)者だったことがわかったから、あなたも保健所に相談して」。ということが言える関係の人のみに行動の環を狭める、というのが大事なのかなと。うつらない!大丈夫!という無根拠な自信だけではもはや話は通らないし、仮に後日の行動確認があった場合に「うそをつかなきゃいけない」みたいな追い込まれが予想される人も一度立ち止まってよく考えてみたほうがいい。なにかあったときに求められる行動がとれるかどうかを想定して動く、というのが今回は求められている気がします。

 

しかし、ここから先はまあどうでもいい話ではあるんですけど、マジでまさかうちのバンドが(おまえのではない)こんな先陣を切った立場に立たされるとは。それなりに長い間このバンドとつきあってきて、くっそみそに叩かれた時も経験してるし、解散の味は舐めさせられてるし、そんなこんなでこのバンドに関しては極端に視野を狭くして「対自分」もしくは「対自分と友人」ぐらいのことしか考えないようにしてきた私ですよ。もはや「他人にどう思われるのか」とかそういうことからある程度自由になった、と思ってはいるんです。ですけど。ですけども。

 

文字通り世界中が感染症と日常、感染症と経済、その両輪の回し方をトライ&エラーで四苦八苦やってきてて、だからもちろん「こうしたら間違いない」みたいな正解はないわけだけど、でもこのトライ&エラーは大袈裟でなくひとの健康と生命を担保にしたトライ&エラーなわけですよ。少なくとも私はそう思ってるんです。だから基本的には人のことなんて知ったこっちゃないし、大人なんだから自分で決めろと思うし、みんなの気持ちなんてひとつでなくていいというスタンスではあるんだけど、しかしこれに関しては、できるだけのことをしたい、しなきゃならん、それが他者に対する呼びかけも含まれるなら、それもやらないよりやるほうがまし。そういう気持ちなんでござる。

 

東京ドームと続く横浜アリーナのライブでどういう結果が出るか、というのは、その後の12月のライブ2本にもいやおうなく影響してくる、してこざるを得ない、基本的には世知甘い人生を生きたいわたしだけれど、今回はどこかにぴりっとした部分を残しつつの鑑賞になるのも致し方なし。それはライブをやるメンバー、スタッフも皆同じなんだろうなと思います。それでも乗り越えて届けられるものがきっとあるはずだ。あるだろう。きっとある。無事にその日が来て、無事に終わる、そのことをひたすら祈り続けています。

21:23 | comments(2) | -

宴、終わらない

5日の20時からのナゴヤドームの配信、皆々様おつかれさまでしたー!個人的に夏休みど真ん中ということもあり、がっつり楽しむ態勢で当日を迎えました。改めて、むちゃくちゃいいライヴだったし、これを30周年の、自分たちとしては初のハコであるナゴヤドームで出来ちゃうのがすごいし、12月28日のスペシャル感は健在だし、本当につくづくいい時間だったなと。それに尽きる。

 

…いやそれに尽きるわけでもないんだけど!とはいえ散々ツイッターでこまけぇことを言い散らかしたので、そして同じ話を2度できないので(しっかりして)、ここではむたくた個人的な話をします。

 

この5日の配信を楽しみにしていたのは、単に去年の暮れのライヴ映像が見られる!というだけではなくて、とうとう、とうとう、“I”をやったところを現認できる!というのが大きかった。いやその場にいたんですけどね。めっちゃ現認してたんですけどね。でもあまりのことに視野狭窄を起こし(「字幕出てたね!」「えっ知らない」)記憶が混濁し(「何の曲のあとだっけ?」「パンチドランカー!」)、果たしてあれは…現実?それともあまりにも切望しすぎたために見た集団幻想?みたいな気持ちになっていたからです。そう、それほどまでに私と、私の友人たちは、この曲が演奏されるのを首を長くして待っていました。もはや首を長くし過ぎたと言ってもいい。

 

思い起こせばあれはもう…20年以上前(てけとう)、このバンドにはまりたて、沼の入り口に立ってさーあ今からドボンといくよー!状態だった私は、ネットで知り合った友人の家でTHE YELLOW MONKEYが出演した過去のテレビ番組を編集した、通称「裏ビデオ」を喜んで見ていました。そこにあったんですね。1995.12.31、年越しの渋谷公会堂、LIVE DI;GAの放送ぶんが。実はこの時の放送の一部はDVD「ライブ帝国」に収録されているので、お手持ちの方はぜひ確認してほしい。放送時には1曲目のラブコミから「いやおまえ…マジでイッちゃってるな?」と言わんばかりに吉井和哉がギランギランのメランメランでエロンエロンだったわけですが、それがもう、全編続くんです(太陽が燃えているとかすごいヨー!)。そこに投下された“I”。「金切り声で幸せと」って、そういうことかぁ…と思わず赤面するようなアクションもさることながら、「ハイになって」で指を突き立てて見せる吉井。いやロビン。その眼。まるで画面から銃で撃たれたかのように私は後ろにひっくり返りました(物理)。なんだこれ。なんだこのえろいあれは。なんだこのかっこいい生き物は。

 

そこからずーっとわたしの“I”待ちが続くわけですが、これが!また!その直前までわりと頻繁にセットリストに入っていたくせに!突然ぱったりとやらなくなった。1996年1月の武道館の公演では「お馴染みのアンコール」とかまで言ってるくせに!そこからの歳月たるやですよ。バンドが解散する前から、たとえばメカラ10でわりとSmileがフューチャーされたときも、SEE-SAW GIRLまではいくんだけどねー!イエ・イエ・コスメティック・ラヴまではいくんだけどねーー!!“I”が出ない。出ないったら出ない。そうこうしているうちにバンドが解散し、これでわたしの“I”を聴く目も消えた、そう思うでしょう?ところがどっこい、私たちはひるまなかった。いや解散当初はひるんでましたけど。ひるんでっていうか、思うところありまくりでしたけど。吉井和哉はソロでもなかなかに、なかなかのバンド楽曲を挟み込んでいたので、ワンチャン…ある?ない?ある?そう言い続けてきました。ライヴのたびに。20年以上!すさまじい執念です。解散中でさえそうなんですから、2016年の再集結後はいわずもがなです。

 

しかし、さすがに長いこと言いすぎて、もはやこれは「叶えられないことをネタにしたお約束」のようになってきていたことも事実です。ライヴの前に集まり、ワイワイ話しながら、今日こそ“I”、やるんじゃね?あるでしょ!あるある!と言い合い、終わった後は「やんなかったねー!」と言い合う。そういうお約束。っていうか吉井ちゃん、この曲のこと忘れちゃってない?大丈夫?なんならもうアニーが勝手に始めちゃえばいいんじゃないかな!っていうかとつぜん「僕は」とかカンペを出したらいいんじゃないかな!「僕は」ぼくは…愛撫のために生きてます!って入ればこっちのもんなんじゃないかな!こういう話を真剣にしている時点でもうだめだ。お薬多めに出しておきますね。

 

しかし、今回はマジで風向きがひょっとして…来てる?という感じがありました。なんか、名古屋のラジオで、再集結後初めてやる曲がある、って言ってたりとかして、もしや!?みたいな(後から思えばこれはシルクのことだったのだろう)。雑誌のアンケートで、ライブで聞いてみたい曲の1位に“I”が入ってたりとか。なんだろう、きてる?きてるのか?そう思わせる何かがありました。

 

ナゴヤドームの開演前も、いつものように「“I”やるでしょー!」「やるやる!」と言い合ったわたしたち。しかしそれが現実になったら、なったら…視野狭窄と記憶の混濁ですよ。いやもう信じられなかったですもん。先日の配信でも、もうDANNDANあたりで「もうすぐだ…」と思うと緊張していてもたってもいられなくなるぐらいですもん。何やるか知ってるのに、セットリスト見てるのに、あのイントロで「うそぉ!」と何回でも言ってしまうぐらいですもん。

 

何より私が嬉しかったのは、この積年の、まさに宿願が果たされるその場に、ずーっとこの楽曲への渇望を分かち合ってきた友人が全員居合わせたことでした。わたしが“I”ばっかり集めたDVD作ったりして、それをわははわははと笑ってきた時間、やるでしょー!やるやる!と言い合ってきた時間、惜しかったー!てっきりSmileの流れがきたかと思ったのにー!と言い合ってきた時間を共有してきた友人が全員、その場に立ち会った。友人のひとりは諸々の事情で遠征ができないので、当初はドームツアーも東京だけの予定だったんだけど、名古屋いきたい、なんか予感がする、そういって開演時間早いから、日帰りワンチャンあるのでは?と参戦することになったんですよ。いやこの人のこういう勘というか、まさに第六感的なものってほんとうにすごい。もうふるえる。西野カナばりにふるえます。

 

会場からホテルに向かうタクシーの中で、全員がどちゃくそ早口でぎゃいぎゃい話して、パンチドランカーのあとだった!って私が大ウソこいて、シルクよかったーパンチめっちゃやばくなかった?ブギー2連発!ともう言いたいことがとめどなくあふれて、日帰りする友人を新幹線乗り場まで見送って、残ったふたりで肉でも食うか!つって焼肉食べながらずーっと反芻して…そういったことのすべてが、ほんとうにここまで、ここまで思い続けてきた私たちへの、盛大なご褒美の時間だったと、いま振り返ってみて改めて思います。

 

いつも私と一緒にライヴを見てくれる友人とは、わりと事あるごとにライブの最中に手を掴んだり肩を掴んだり抱き合ったりして喜びを爆発させちゃうんだけど、このナゴヤドームの“I”のときほど、ぎゅうぎゅうに抱き合ったことはなかった。抱き合いすぎて眼鏡が曇り、そのあとのSUCKが始まってから二人おもむろに眼鏡を外し、同時に拭き始めたのが最高におかしくて、SUCKが入ってこねえ!と言いながら笑ったこと、わたし一生忘れないとおもう。

 

このバンドにはいいときもわるいときもあって、だからファンにとってもいいこともわるいこともあって、でもこういう「一生忘れないとおもう」っていう瞬間をほんとうに、ほんとうにたくさん積み上げさせてくれていることは間違いない。このバンドを好きになった瞬間からそれは始まっていて、今なお続いているのも、すごいとしか言いようがない。

 

配信で改めて見た2019年12月28日のTHE YELLOW MONKEYは、もうすべてがかっこよくて、セットリストも最高で、パンチのツアーに魂のかけらをとられてしまった人間としては、パンチドランカーめっちゃかっこよくない!?ってツイートを検索してはそうであろ!そうであろ!とニマニマしちゃうし(誰目線)、ブギー2連発の見事な繋ぎ、最新曲であるballoon balloonからライブの帝王A HENへの流れ、センターステージで水を得た魚のように生き生きするメンバー、本編が3rdアルバムの1曲目であるSECOND CRYから始まり、2ndアルバムラストの「シルクスカーフに帽子のマダム」で終わる、まるでTHE YELLOW MONKEYの歴史をぐるっとたどるような構成になっている心憎さも、アンコールの最後の最後まで、そこまでアンコをぎゅうぎゅうにつめなくてもいい!ってぐらい楽曲をぎゅうぎゅう詰めこんでくるサービス精神も、なにより、この広いドームを演出や環境の力を借りずに、自分たちの楽曲とパフォーマンスだけで手のうちに掴んだことがわかる、まさに圧巻の3時間だったなと思います。

 

いろんな事情があって、DVDやBlu-rayでの発売が困難なのかもしれませんが、この日のライヴは絶対にのちのち、「あー完全版出しておけばよかったのに」ってみんなが言う、そういうライヴであることはもう、間違いないので、ぜひ円盤化を検討していただきたいです。既発のライヴ映像なめるように見倒して全曲感想とか書いちゃう女の言うことを信じてください。このカシオミニを賭けてもいい。

 

そうそう、私は上記のような事情から、メンバーのチャット…?そこまで手が回らねえ!とチャット度外視スタイルで見ていたので、あとからチャット機能がダウンしたことを知りましたが、ライヴ見ながらうだうだ喋るメンバーの映像が見られるというおまけがついてきてなんだか申し訳ない気持ち。なんだったらこれを円盤の特典にしてくださってもいいんだよ!

 

配信という形ではあったけれど、画面を前に楽しさと嬉しさと音楽への渇望を爆発させることができて、好きなものへの好きな想いを爆発させることができて、とても楽しい時間でした。そして次、そして次です。配信を見たら、やっぱりどうでもライヴに行きたい、そう思わせるバンドの、次を待っています!

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